コマーシャルと人種問題
メディアの授業で見せられたコカコーラのこのコマーシャルがすごく好きで、一日に何度も再生しているし、ときには口ずさんでいる。
I'd Like to Buy the World a Coke Commercial ...
このコマーシャルは世界中から若者を集めて、コカコーラ片手に一緒に歌を歌わせることで「コカコーラはあらゆる境界を超え、世界を繋げる」ことを伝えようとしているらしい。
しかし私が気になったのは、暗に示されている白人中心社会の様子。
最初と最後にアップで映るのは白人。だし、映し出されるのは(集められているのは?)圧倒的に白人が多くてアジア人、黒人が少ない。気になってこのコマーシャルが作られた当時(1971年)の人口分布を調べてみたところ、以下のグラフ*1が得られた。
1971年当時から圧倒的にアジア人が多いやん!
いや、南アジアの人口(インドとかバングラデシュとかパキスタンとか)はヨーロッパと変わらないくらいなので、今よりアジア人の比率が小さいのは確か。だけども、あまりにもCMにおいてアジア人が少ないと思うのである。
黒人はこんなもんか?と思わないでもないけども。(私が黒人についてあまり何も知らないからそう思うだけかも。)
どうしてこうなってしまったのか。
今から40年以上も前という時代のせい?アジアの国々の影響力が強くて、かつ3人に2人がアジア人*2という現代なら、もっとアジア人の比率が多くなる?
それとも、ロケ地はイタリアの田舎だし、ヨーロッパ人を集めて来やすかっただけ?
答えはCMクリエイターのみぞ知る。
これを意識的に行っていたならともかく、無意識で行っていたら恐ろしいなぁ。
ニューヨークに来て3ヶ月弱、思っていた以上に白人が少なくてびっくり。私が住む地域が白人少ないだけかもしれないけど、マンハッタンとクイーンズ区を結ぶ7番線で見かけるのはヒスパニックとアジア人ばかり。
クイーンズの中でもフォレストヒルズ(良い雰囲気の住宅街)、アストリア(マンハッタンに一番近い良い雰囲気の地域)に行くと白人が多くて驚く。ちなみに日本人も比較的多い。
人種が明らかに、無意識のうちに分断されている気がする。学校でも人種を超えて交流している場面よりも、同じ人種、宗教同士で交流している人を見かけることの方が多い。
日本を発つとき、父に「向こうでは無意識のうちに差別されるから」と言われたこともあって、私の見方に多少のバイアスがかかっていることも否めないけど。
いやー、人種問題、おもしろい。
ちなみにコカコーラ公式でこのコマーシャルに関するページがある。
The Making of Coca-Cola's "I'd Like to Buy the World a Coke" Ad: The Coca-Cola Company
ポスター広告だけ見て、英文は一切読んでないけど、多分CMの歴史とか書いてある。