Googleのある時代に生まれて良かった

Googleのある時代に生まれて良かった。


Googleがなければ、あの日、私は、初めて与えられたケータイで、思い出したように漫画家のブログなんて検索しなかっただろう。結局ブログには辿り着かなかったけれども、代わりに学生専用と銘打った掲示板に出会った。


どこか周囲に馴染めなかった人生だった。歳を重ね、ある程度の折り合いはついたと思うけれども、それでも私は常に5mmくらい地面から浮いたまま生活している。



Googleのある時代に生まれて良かった。


Googleがなければ、今、私はドイツで途方に暮れていただろう。英語ができればドイツでは生きていけるなんて全くの嘘で、Airbnbで手配した宿のおじいさんは英語が喋れないから常に会話の方向性が見えていないし、カフェのメニュー表記もレストランのウェブサイトも劇場の案内も街の看板も英語表記なんかなくて、Google翻訳アプリをフル稼働させている。


けれども、Googleは教えてくれなかった。コペンハーゲンの電車は頻繁に切符点検が行われること。ハンブルクの街のトイレは有料だということ。コペンハーゲンもドイツも、道にタバコの吸殻がたくさん落ちていること。ドイツのパンはおいしいしコペンハーゲンの人気のパン屋は日本人が始めたこと。こうした、何気ないことはいくら技術が発達したところでその地に赴かない限りは知ることはできないし、だから私は旅を続ける。 



ま、ドコモのiモードを使っていた私が使っていたのはGoogleではなく、もっと別の検索エンジンだったけれど。きっとだからこそ、漫画家のブログに辿り着かず、今の私がある。